優秀作品紹介
不二誌一般版 4月号
今月の最優秀作品
支部 | 作者名 | 選評 | |
---|---|---|---|
釆女 | 熊野 素心 | 骨組に富み、 力強さと線の切れ味を追究してよく纏め上げた作。 熱情を秘めた清らかな線にむだな肉をつけずすっきりした点画に自流を表出する。 | |
水茎 | 野呂 詠雪 | 紫のぼかしの料紙に墨の濃淡を散りばめて、 中太の膨よかな線が魅力的。 四行目の渇筆が利いて作品に広がりを与え、 一面の雪景色を想わせる。 | |
大船 | 城 肖蘭 | 斬新な三行構成。 リズムのある大胆な運筆で、 きれの良い線が素晴らしい。 落款の巧みさで余白の余韻を残している。 | |
栗丘 | 吉池 芳葉 | 行頭より行末まで、 素直に書き下して半折條幅縦作品の典型に迫る。 惜しむらくは、 上部の 「青雲月光」 の四字がやゝ重い。 この点が惜しまれる。 | |
書学 | 豊田 玉泉 | 心地好い放ち書きのリズムで始まり墨色の自然の流れが美しい。 渇筆部の見事な筆の操り、 息いき使いが巧みで表現停止で拙を尊ぶ。 | |
書学 | 岩國 松雪 | 作為のない悠々とした運筆が自然であり、 縦の流れを出している。 墨色も良く、 洗練された雰囲気はゆったりと暢達。 「故」 と 「南」 の二字少々右肩上りの結体が気にかゝる。 |