優秀作品紹介
不二誌一般版 7月号
今月の最優秀作品
支部 | 作者名 | 選評 | |
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九書 | 長谷川裕美 | 長峰の特性を生かし、潤渇の対比の妙を際立たせた意欲の作。「起」の収筆、「無」の長い横画の処で、腋を開き筆に委せて自然に筆を運びたい。 | |
書学 | 岩國 松雪 | 柔らかい中にも強さを秘めた細線が行の美しさを際立たせている。 漢字の線も程よく、 原帖の雰囲気を細部まで捉えている。 | |
書学 | 鈴木 華邑 | 書き慣れた筆致で字造りをし、余白を効かせ、構成の変化が見事。墨色も美しく温雅な作風をなす。なお「す」や「熱」の丸く巻く部分に癖が出たようだ。 | |
采女 | 熊野 素心 | 結体に極端なデフォルメを見せず、やや淡墨気味の墨色の中に右上りの結体を以てし、文字の大小の変化による収まりが当に自然流露の作風を醸し出している。 | |
松飛 | 鹿毛 艸雨 | 鋒先を見せず書線の太細表現を大胆に試みて、墨色の美しさに加え、墨の潤渇による文字群の扱いが見事。簡明なる秀作。 | |
松 | 角田 茅水 | 日頃の殻を破ろうと苦心し、新たな冒険を試みて、大胆な筆致を見せ新鮮。「春山の」の書き出しに少し堅さが残る。 |