公益財団法人日本書道教育学会

名誉会長挨拶

石橋鯉城名誉会長近影

書道は世界に誇るわが国の独自の文化であり教養であります。どのような時代に在っても大切にされなければならない伝統でもあります。この伝統を守る書学院は、日本人としての教養を身につけると同時に指導資格の取得のための学院であります。

ご存知でしょうが、わが国の教員免許法では、小、中学校においては、書道(習字)が一つの教科として独立していないために、それを教える資格を持った専門の先生が存在しません。そのために途轍もない指導が行われていたり、指導らしい指導が行われていないのが現状です。小、中学校での毛筆習字の教育はそれが不完全である事をもって”書写”などと呼ばれています。日本の何処を探しても”書写塾”などと称して習字を指導している処はないのです。この一点に注目しても、書写がいかに特殊な教科であるかが判ります。

さて、わが国のこうした基礎教育と教養軽視の教育風土の下にあって、真の伝統と書道の醍醐味を学び、そして広く国民の教養として書道を普及するために、この書学院は先代の石橋犀水前院長によって創設されたのであります。その意志を継承し、この書学院の教育を通して本会は指導者の資格認定をしながら本格書道、純正書道の普及に努めてまいりました。

いま、学校教育の現場でも専門家による指導が効果的である事に注目してボランティアによる課外授業に人材を求めています。また社会教育・生涯学習の世界でもインストラクター制度が順調に成長し、教養、文化、技術等の各方面でのサークル活動の指導者として有資格者が活躍しています。卒業後、更に磨きをかけて資格を生かしての活動を心懸けると共に、不二、書学での研究を通じ話題を豊かにし、実力をつけていただくようお願いします。

名誉会長プロフィール

1937年広島県生まれ。新潟大学教育学部芸能学科書道科を経て、学習院大学大学院人文科学研究科修了。62年よりフランスに留学、パリ大学文学部哲学科などで学ぶ。64年、東京オリンピックにてフランス語通訳として活動。65年、相模女子大学で非常勤講師として書道を教える。以来、共立女子短期大学、学習院大学など複数の大学で教鞭をとる。77年、相模女子大学学芸学部国文学科教授に就任(現在は退職)。財団法人日本書道教育学会理事長を経て現在、同会長、扶桑学園日本書道藝術専門学校理事長。