不二現代書展
第25回不二現代書展で特別賞を受賞された方々の喜びの声を御紹介いたします。
第25回不二現代書展受賞所感
| 新和様・漢字造型書作家協会賞 | 今川 佳香 | 審査会員推挙 | 森 幽翠 |
| 新和様・漢字造型書作家協会賞 | 小野 和溪 | 審査会員推挙 | 和田 青玄 |
| 新和様・漢字造型書作家協会賞 | 斎藤 江葉 | 文部科学大臣賞 | 内間 翠海 |
| 審査会員推挙 | 石田 春水 | 文部科学大臣賞 | 甲谷 景子 |
| 審査会員推挙 | 金垣 清苑 | 兵庫県知事賞 | 三宅 小華 |
| 審査会員推挙 | 須山 万寿 | 神戸市長賞 | 上野 暁泉 |
| 審査会員推挙 | 鷹見 杏邨 | 神戸市教育委員会賞 | 野呂 詠雪 |
| 審査会員推挙 | 長島 祥風 | 石橋犀水賞 | 内村 泉水 |
| 審査会員推挙 | 中野 光葉 | 石橋犀水賞 | 柄沢 翠春 |
| 審査会員推挙 | 根来 香翠 | 石橋犀水賞 | 永瀬 和子 |
| 審査会員推挙 | 福永 青篁 | ||
新和様・漢字造型書作家協会賞 今川 佳香
この度は思いもかけぬ受賞の報に接し、過分なる評価を賜り厚くお礼申し上げます。
大学卒業後、日本書道藝術専門学校に入学し、会長石橋鯉城先生始め多くの諸先生方にご教導頂く好機を得ました。贅沢な講義は多種に渡るもので、中でも、文房四宝特に、筆・墨についての授業は、書に対して新たな関心を植え付けて頂きました。特に、筆の鋒の長短や材質の違いによる線の変化に興味が湧いたことが強く記憶に残っています。自分の力量では使いこなせぬとわかってはいても、鋒の長い筆は手元に有るだけで、百人力の力を得た心地がし、その後三十年、今も鋒の長い、多種の毛質の美しい筆に魅了されています。
今回書きました『龍蛇雲露』も十三センチの鋒の長さがある孔雀の羽毛の筆を使用しました。計算外の線の変化は、書き手の想像を超え、一筆、一筆が、将棋で言う一手、一手、又、テニスのラリーのようでもあり、真剣勝負の気構えになります。筆に負けずに、一手先を読むような気構えで書きました。
出典は『書譜』の中の一文です。六朝以来の書論について孫過庭が論述している箇所で、龍書、蛇書、雲露篆は、絵画的要素の濃いたぐいのものと、論じている部分です。
今、未曾有の震災を思うと、書を学べる環境に感謝しつつ、再び、『書譜』内容を読み解きながら学習を進め、今一度心を引き締め一層精進を強く思う次第です。変わらぬご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。
新和様・漢字造型書作家協会賞 小野 和溪
この度は第二十五回不二現代書展において、新和様・漢字造型書作家協会賞という身に余る栄誉ある賞を賜り、感謝の気持ちで一杯でございます。これも偏に石橋鯉城先生はじめ諸先生方のご恩情のお蔭と深く御礼申し上げます。
「一字書」は己が心を墨量充分の筆に託し、一気に紙に打ち込みこの瞬間から収筆で呼吸を整えて筆を紙面から離すまでの短時間の緊張感の中にまさに「無」の境地を感じながら書いている事が私にとって、一字書の醍醐味でもあります。折しも出品期日も迫った十月三十日「まなびピア岩手」での一字書と写経の講習会が開催され、一字書の範書も行われました。会長先生に依る目の前での大小二本の合わせ筆を駆使しての実技指導を脳裏に収めながら、数日を経て書いた数枚の中の一枚が今回の出品作でした。
私にとって今回の受賞は夢のような事ではありますが、この受賞に甘んずることなく、更に研讃を重ねて参りたいと思います。
未曽有の自然大災害が発生したこの東北の地にあって、自分が従来通り書が出来る事の幸せを感謝し、又多くの被災者の方々に心を寄せ一日も早い復興を祈りつゝ、元の平安が蘇ってきますよう念じております。
最後になりましたが日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げてお礼の言葉とさせていただきます。有難うございました。
新和様・漢字造型書作家協会賞 斎藤 江葉
この度は、第二十五回不二現代書展におきまして「新和様・漢字造型書作家協会賞」を賜り誠に有難うございました。夢想だにしなかった大きな賞に驚きと身の引き締まる思いでいっぱいです。これも偏に石橋鯉城先生をはじめ、審査に当たられました諸先生方のご厚情に心よりお礼申し上げます。
新和様は、誰にでも読める書でありながら自分が本当に書きたいと思うものに取り組めるよさがあります。しかし、共感した詩歌や言葉等の心情を表現することの難しさは量り知れません。
今回の作品は、新潟県田上町在住の岡村榮治句集「毬子」より、感銘を受けた一句を選びました。新潟の冬が明け、ようやく土の香りを感じ始める暖かな日々を春色に表現出来たらと思い書きました。書く程に内容と表現が融け合わず迷い続けました。初めは縦形式に書き進めてみましたが、ふと、横形式にしてみたら、新しい気持で取り組めました。余白を広く取り、飾らず、淡々と…という思いで書いた一枚です。
課題ばかりが山積しておりますが、この受賞を機にさらに精進していきたいと思っております。どうぞご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。最後に、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
審査会員推挙 石田 春水
それは思いもかけない朗報でした。私などとても手に届かぬ高嶺の賞と思っておりましたので驚きでございました。
会長先生はじめ審査の先生方のご厚情と、お励ましのお心に感謝の気持ちで胸がいっぱいでございます。震災直後より「方丈記」を作品に… と決めておりましたが、書けば書く程に力んでしまい、方丈記の文意から遠のくばかり。自分の力のなさを痛感させられるだけで、反古ばかりが山となっていきました。
そんな中、岡晴雲先生のご指導を仰ぎながら、何とか提出に耐えうるかな? といった一枚が仕上りました。
その様な作に思いもかけず、高い評価を戴きこの上ない幸せを感じております。
地元、大阪藤井寺の五味陵石先生のもと、不二誌で勉強させていただいて三十数年が経とうとしております。又書学院では特に岸本松洲先生、竹内観雪先生、吉田六嶺先生にご指導をいただきました。このすばらしい天国の先生方にも衷心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。この受賞を励みとし、これからも精進を重ねてまいりたいと思います。今後ともよろしくご指導賜りますよう、お願申し上げます。
本当にありがとうございました。
審査会員推挙 金垣 清苑
教え子の結婚式・披露宴に参列し、彼らの成長に感激しつつ、家路に着いたところ、この度の「審査会員推挙」の報を知ることとなりました。全く思いもよらぬ朗報を頂戴し、身に余る光栄と存じております。これも偏に、石橋鯉城先生をはじめとする審査員の先生方の御厚情と、心より御礼申し上げます。また、永年にわたり熱心に御指導いただいております船橋玉苑先生のお蔭と深く感謝申し上げます。この度は、高校時代の恩師でもあり、現在同門である森幽翠先生も共に推挙の栄を受けられた事を知り、より一層恐縮の次第でございます。
今回の作品は、なかなか題材を見つけることができず、時間ばかりが過ぎていく中で、目に止まった言葉でした。やっと見つけた題材でしたが、構成が決まらず、また時だけが過ぎていき、戸惑いながらの制作途中で、しめきりの日を迎えることとなりました。
日頃から新和様に熱心に取り組んでおられる船橋先生より、心に響く線を書くようにと潤渇の変化・白黒のバランス等、様々なご指導をいただいておりますが、なかなか作品化できず、練習不足を痛感しております。
今回の受賞を機に、心機一転、初心に戻り日々精進を重ねる所存でございます。
最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展を祈念いたします。
審査会員推挙 須山 万寿
この度は、審査会員推挙という身に余る賞を賜り有難うございました。会長石橋鯉城先生をはじめ、諸先生のご厚情を心より御禮申し上げます。現在大阪書学院でご指導戴いております岡晴雲先生、新和様の作品づくりをお教え下さいました故吉田六嶺先生、折りにふれ励まして下さった書友の皆様にも、深く感謝申し上げます。
今夏の文鳳会錬成会で石橋鯉城先生より、私の作品に対して、「これでは駄目、景色が全く見えてこない。」との注意を賜りました。今回の作品制作ではこの『景色』が大きな課題となりました。広々としてさえぎるものもない海の上に春を呼ぶ雪が舞う。しばらく降ってすぐ消える春のさきぶれをどう表現すれば良いのか。山の雪は何度か経験しているのですが、海の雪との出会いはなく苦労致しました。その結果、空間を大きくとらえ、近づく春のあたたかさと、淡く明るい雪の持つ本意を線質に求め、句のイメージを心に思い描きながら書くことにしました。いつものことながら思うようには行かなかったのですが、出品に漕ぎ着けました。
今回の受賞を励みとして、一層精進をする所存です。今後共よろしくご指導を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
審査会員推挙 鷹見 杏邨
この度は夢想だしなかった身に余る審査会員推挙の賞をいただき誠に有難うございました。
思えば昭和四十一年今は亡き尊師石橋犀水先生をお訪ねし師事することを許されて十年有余、次いで吉祥寺書学院特設科で泉梅耀先生に、そして現在は犀水先生のお薦めにより池田龍仙先生に師事させていただいておりますが、良き師に恵まれましたことに感謝申し上げております。
時に、犀水先生にお共し毎日展鑑賞の折、「書を始めたからには君も学会展に入選入賞するくらいの勉強をしなくては。それには一念不動の心構えでなくては、」と仰言られたことをいまでも覚えています。
盛夏には、軽井沢の無想庵でご静養中のところをお伺いしご指導いただいたことも度々でした。
今回の作は、犀水先生から「建部賢文のこの文章を味わいながら書かれよ。」とご教示いただいたものを作品といたしました。この文章に従わないところも多々ありますが、出品にあたり格別のご指導いただきました池田龍仙先生ほんとうに有難うございました。今後とも重ねてご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
いま、この賞をいただいて、犀水先生の厚いご指導ご恩に少しでも報ゆることができたものと思い、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
最後になりましたが、審査に当たられました諸先生に感謝を申し上げ、あわせて日本書道教育学会の益々のご発展を祈念申し上げます。
審査会員推挙 長島 祥風
この度、思いがけなく審査会員推挙と云う栄誉ある賞を賜りまして驚きと感謝の念で一杯でございます。 私が書の道へ入りまして幾としになりますか、池田龍仙先生の御指導を受けるご縁に恵まれまして、先生とのお出逢いが私にとりまして最上の幸せでございます。
昇段試験があるから受ける、展覧会があるから出して見る、その様な書道人生でありました。あまり色々考えて過ごして来たことはなかった様な気が致しております。
栄誉ある賞を頂くことになりまして、楽しかった事困ったことなどありましたが、続けて来て良かった、今この思いで一杯でございます。審査会員推挙と云う賞にはまだ己れの能力は及ばないと存じますが精進あるのみと思っております。
理事長先生、池田龍仙先生、皆々様の今後の御指導を伏してお願い致す所存でございます。
審査会員推挙 中野 光葉
いつになく暖かい晩秋の日ざかりに、思いがけない祝電が届きました。「審査会員推挙」の朗報でした。大変驚き、賞に対する重責に困惑しましたが、新和様に出会った頃を思い出し、続けてきて良かったと感激しているところです。この様な栄誉ある賞をいただき本当に有難うございました。
これも偏に石橋鯉城先生をはじめ、審査にあたられた諸先生方のご厚情の賜物と深く感謝しております。また、日頃より不勉強の私を叱咤激励して下さる恩師・進藤正則先生や書友の皆様の励ましのお蔭と心よりお礼申し上げます。
ここ数年、種田山頭火の句に魅せられてしまった一人として、素朴な味わいのある句をどの様に表現できるか、毎回墨色や紙面の配置等試行錯誤しています。今回は、力強い中にも優しさをと、大和雅墨の松煙墨、墨含みの良い絹目夾宣にこだわりました。宿浄純羊毫を使い、明るい筆使いを心掛けましたが、それでも未熟な仕上がりに心残しながらの出品でしたので、この様な評価をいただき、大変恐縮しております。このたびの受賞を励みとして、筆を持てる環境にも感謝しながら、更なる作品を創り出せる様、日々努力していきたいと思いますので、今後共ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
審査会員推挙 根来 香翠
この度は、第二十五回不二現代書展におきまして、審査会員推挙を受賞させていただき誠に有難うございました。
審査会員推挙など私には無縁の事と思っておりましたので、俄には信じられませんでした。今はようやく賞の重みを実感し、気持ちを引きしめて精進しなければと思っております。理事長先生・学会諸先生・(故)竹内観雪先生・吉田六嶺先生・現在ご指導いただいている小林鳴竹先生に感謝の気持ちで一杯でございます。
今回出品致しました“世の中安穏なれ”は九月に私の母の納骨の為、京都大谷本廟へ詣った折、御廟内に書かれていた言葉で、安穏の字に惹かれお尋ねした所、親鸞聖人のお言葉だと教えていただきました。母の供養になると思い仏壇の前で書きました。
字数が少ないので最大寸法をそのまま使うと無理があると思い、紙の幅を少しカットしましたが、文字の大きさがバラバラで思うようには書けません。眺めている内に、自分の嫌な癖が次々と目につき、ため息ばかりです。その頃は、家のリフォームに、職人さんが何人も出入りして、その対応に追われていた時でしたので、精神的に筆を持つ余裕はなく、もう目をつぶって出品致しました。
今回の受賞は、きっと亡母が力をくれたのだと思っています。好きな書を続けられる幸せをこれからも味わって参ります。
審査会員推挙 福永 青篁
様々なコミュニケーションツールがある中、牡丹の花の電報で「審査会員推挙」という朗報を頂き、驚きと喜びで一杯になりました。推挙して頂いたことに心より感謝申し上げます。
数年前より「文字構成」の部門が加わり、これまで大字作品を書く機会が少なかったのでこれ幸いと一字書に挑戦することにしました。又偶然にも勤務校で作品展示の依頼を受け、引き締った思いで書作に取り組んできました。
題材のテーマは「自分にとって今年一年を象徴する文字」です。今年はこれしかないと「蘇」を選びました。日本が、東北が必ず復興していくとの強い思いで、最初は厳しく、強く書いてみましたがしっくりこず、最終的には淡墨で滲みと空間処理に重点を置いた作品になりました。シンプルな線の中に多様な表情を出すことは難しく、「文字構成」部門の目標である表現技法の追求にどこまで迫れたかは疑問です。今回は墨色と滲みに助けてもらった気がします。
頂いた賞から「もっと精進せよ」と叱咤激励の声が聞こえてきそうです。これを機会に初心に戻り、さらに研鑽を積まねばと決意を新たにいたしました。
学生の頃から永年ご指導頂いている岡先生に感謝申し上げると共に、日本書道教育学会のさらなるご発展を祈念いたします。
審査会員推挙 森 幽翠
この度は、第二十五回不二現代書展におきまして、「審査会員推挙」という栄えあるお報せをいただき、ただただ驚きと喜びとで胸がいっぱいでございます。今回は久しぶりに方形の規格に挑戦し、俳句一句を行の響きあいが感じられる表現に…という思いで筆を執りました。しかしながら、運筆のリズムや結体等々、基本的なところでの課題をたくさん残しながら、いつものように締切期限に迫られての出品でした。
私事で恐縮ですが、ここ数年肉親や知人との哀しい別れが続きました。特に三十余年間ともに生活し私の仕事や書活動に理解を示してくれた義父母、陰ながらずっと応援し続けてくれた実父を相次いで失ったことは、本当に辛いことでした。その上、仕事の関係で書に向き会う時間が物理的に少なくなったことも否めない事実です。このような環境の中で最近は展覧会への出品も惰性になってしまっているのでは…と自問自答している時期でもありました。今回の受賞は、そのような私へのご温情と叱咤激励のメッセージと受けとめその責務の大きさに身の引き締まる思いです。これを機に、今一度初心にもどり、心に響く言葉を大切にしながら、日々精進してまいりたいと思います。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げ、感謝の言葉といたします。まことにありがとうございました。
審査会員推挙 和田 青玄
このたびは審査会員推挙という栄誉な賞をいただき、ありがとうございます。
今回の作品は、七月頃から書き始め、紙は中国画仙、墨は古い紫玉光、筆は細光鋒の羊毛長鋒を使用しました。この筆は山梨の和紙工場の社長が、文房四宝のコレクターで、そのコレクションを拝見する機会があり、その中にあったものを譲ってもらったものです。一流の書家が毎日使用しても、手なずけるまでに二年はかかるという筆です。当然私に使いこなせるはずもなく、長年、筆架の飾りになっていました。しかし、この機会に使ってみることにしました。穂先が柔らかすぎて言うことを聞いてくれません。力を入れすぎると枯筆部分がやせてしまいます。それでも四苦八苦しながら書き上げ、先生に一枚選んでいただきました。その後、何回か先生に見ていただきましたが、結局、最初に選んでいただいた作品が最後まで残りました。
初夏の頃の語を題材にしましたので、時季はずれの感もいなめませんが、忘れられない作品のひとつになりました。
最後に、練習不足の作品にも関わらず、いつも温かくご指導、ご助言していただきました、岡晴雲先生に感謝申し上げます。
これを機に、さらなる精進を続けていこうと思います。ありがとうございました。
文部科学大臣賞 内間 翠海
この度、第二十五回不二現代書展に於きまして、思いもかけず文部科学大臣賞を賜り誠に有り難うございました。
授賞の知らせを受けた時は、「まさか自分が?」というのが正直な気持ちでした。作品には自分なりに満足したものではありましたが、賞をいただけるまでとは全く思っていませんでした。何度も電報を読み返し、嬉しさがこみ上げてきました。前回の第二十四回展で同じ賞を友人である外間海楽さんが授賞しており、沖縄から連続の授賞となりました。
このような賞をいただけたのは、日頃ご指導をいただいております玉城芳岳先生のお蔭だと思っています。先生は、字形や筆遣いについてたくさんのアドバイスを下さいました。また、仕事や家事・育児にと多忙な中、唯一の趣味である書道を続けられているのは、協力・応援してくれている家族のお蔭です。玉城先生をはじめ、家族と励ましてくださった書友の皆さんに感謝の気持ちで一杯です。
一字書を書く場合、私は一つの題材を繰り返し書くというより、気分を変えて書けるよう二・三通りの題材を交互に書きます。それは、惰性で書き続けることを避けるためです。その中から、良いものを出品するというふうにしています。今回、栄誉ある賞をいただきましたが、これを機にさらに自己研鑽に努め、今後も書を楽しみながら学んでいきたいと思います。
最後になりましたが、財団法人日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
文部科学大臣賞 甲谷 景子
このたびは、栄えある文部科学大臣賞をいただきまして、ありがとうございました。これまでお導きくださいました先生方、書友の皆様のお蔭と感謝申し上げます。
昨年は、寺山修司の歌「少年の夏の日」を出品しましたが、今年は、与謝野晶子の歌「少女ごころ」に取り組みました。一字一字丁寧に書こうと気負うあまり、息が最後まで続かず、大きな流れを出すことが出来ませんでした。自身の弱さを克服出来ないまま、悲しいかな、紙がなくなり提出日を迎えてしまい、しあがらなかったという思いでおりましたので、祝電をいただいた時は、信じ難く、宛先まちがいでは?と、この目で何度も何度も確かめました。これも、審査の先生方のご恩情の賜と厚く御礼申し上げます。
不二誌の仮名条幅のお手本執筆者の池田春翠先生が、お手本の解説で、「一瞬でもその境地の中にありて、言葉の美しさに触れて書ける喜びを」とお書きになっていたことがありました。今回なかなか形にならずに苦しみながらも、その喜びは十分味わうことがかないました。これからも言葉を大切にして、作品づくりをしていきたいと思っております。
新和様の原点とも言われています犀水先生の書簡集も発刊され、書を学ぶには、この上なく恵まれた時代におりますこともありがたいことでございます。一層精進してまいります。今後共よろしくお願い申し上げます。
兵庫県知事賞 三宅 小華
不二会友試験合格時に「古典に学び真摯な心で書に寄り添って行きたい」と、思いを新たにしましてから六年半、遥かな山の頂きを目標にマイペースで登り続ける日々を過ごして参りました。そしてこの度、第二十四回展の受賞に続き再びこの様な身に余る大きな賞を賜ることとなり、息切れしそうな歩みの中にあってこれからの道程に何よりの励みとなりました。
ふと、高校時代を含む青春期の十年程をご指導戴きました今は亡き中俣天游先生のお顔が懐かしく思い出され、振り返りますと日本書道教育学会に育てて戴き今日があると改めて思いを巡らせております。
今は書体字典を傍らに、時折諸先生方の作品にヒントを戴きながらの作品創りでございます。共感した言葉に自らの感動を乗せ、漢字、ひらがな、カタカナを媒介として自由に表現できるところが新和様の大きな魅力であると感じております。文字性を大切に奇をてらわずパフォーマンスに走らず……。理想は高くなるばかり、力尽きてもまだく山の中腹にも行き着かないことでしょう。それでも猶、登ることの出来る一本の道があることに感謝をし精進して参りたいと存じます。
新和様への道を拓いて下さいました吉川妍石先生を始め、これまでご指導賜りました諸先生方に厚くお礼を申し上げますと共に、不二現代書展の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
神戸市長賞 上野 暁泉
十二月一日暗くなってからの帰宅でした。ポストの中に、日本書道教育学会からのいつもと違う角封筒が「なんだろう」と開けてびっくり、不二現代書展文字構成部門において、神戸市長賞の報、身に余る光栄に驚きと感激でいっぱいであります。
これも偏に、神田書学院卒業以来の師、小久保嶺石先生のご懇篤なご指導、審査にあたられた諸先生方のご温情、多くの良き書友の励ましのお蔭と、心から感謝とお礼を申し上げます。
今回の作品については、日頃から墨色、最近になって特に注意しているのが紙の厳選です。それは紙質によって墨色が全然変色してしまうことです。また墨量の増減、潤渇、余白等に気をつけて、何時ものように気負わず、肩の力を抜いて平常心で、とご指導を頂きながらも、思うように表現出来ず、毎回試行錯誤の出品です。
自分の選んだ書道、遙かな遠い道程を、今後も学会の諸先生、良き先輩、多くの書友に支えられながら、これからも古典の学習は勿論のこと、更に精進し、牛歩のごとく歩み続けたいと思います。
最後になりましたが、不二現代書展のますますのご発展を心から祈念し、さらに今後共変わらぬご指導ご鞭撻の程お願い申し上げ、受賞の所感とさせて頂きます。
神戸市教育委員会賞 野呂 詠雪
毎日毎日、細々とした雑事に追われる私にとって、筆を持つ時間は、日常から非日常の世界へと遊離できる贅沢な時間です。が、同時にそこには、自分との対峙を余儀なくされる厳しい世界が待っています。何度書いても思うように納得できる作品ができず、常に未完成なまゝ現実に引き戻される繰り返し。なかなか前進できない自分への苛立ちが募るばかり。なのに何故、懲りもせず、また筆をとってしまうのか。自分でも不思議です。もしかしたら知らず知らずのうちに私もまた、書の深遠な魅力にとり憑かれているのかもしれません。
まだまだ努力不足の作品が、今回この様な形で認めていただけたことはただ、ただ、嬉しく、心から感謝いたします。大阪書学院、岡晴雲先生をはじめとする皆様のお蔭です。本当にありがとうございました。
書は言葉を書く芸術といわれています。これからも、〝言葉〟を大切に、筆先と紙との接触、離脱が生み出す一瞬のドラマに、自分の内面をも重ねあわせて、自在に表現できることを目標に、非日常へのちょっとしたタイムトリップを楽しんでいけたら幸せです。
石橋犀水賞 内村 泉水
この度は、第二十五回不二現代書展第二部において、石橋犀水賞を賜り誠にありがとうございました。思いがけない受賞に感謝と感激で胸がいっぱいでございます。これもひとえに学会の諸先生方のおかげと、深く感謝申し上げます。
今回の作品一字書は初めての出品でしたので、書けば書くほど欲ばりになってしまい、まとまらず、墨色や余白、リズムなど試行錯誤の連続でした。そんな時、友人の日本舞踊の発表会に出かける機会に恵まれ、二時間半の夢の世界でさまざまな美しい舞いを観ているうちに、「舞」という文字と踊りがいっしょになって、静かな舞い、劇的な舞い、弾け飛ぶような舞い、心躍らせて家に帰りました。今度は書けば書くほど楽しい時間、作品としては未熟なものばかりですが、とにかく気持ちがよく、書き上げることが嬉しい日々に変わって提出の日を迎えました。
受賞の喜び以上に賞の重みを感じ、次回の不二現代書展に向けて更に精進研鑽を重ねて参りたいと思います。今後とも一層の御指導を賜りますようお願い申し上げます。そして日本書道教育学会の益々のご発展を、心よりお祈り申し上げます。
石橋犀水賞 柄沢 翠春
この度、第二十五回不二現代書展におきまして、石橋犀水賞を賜り、誠に有難うございました。思いがけない受賞通知に、驚きながらも大変感謝しております。
これも偏に、日頃、御指導いただいている長谷川白楊先生と、審査に当たられた諸先生方のお蔭と心より御礼申し上げます。
今回は、書展が一月開催ということで、新春の縁起物が、三つ詠み込まれた俳句を選びました。「字数が少なく書き易いのでは…」と考えた自分が浅はかでした。「一行書きでは、つまらないし…」「二行にするには、字が足りない…」試行錯誤の末、この構成に落ち着きました。また、師のアドバイスで「寿」の旧字体を使い、墨のニジミで失敗しないよう、気をつけました。書き込むにつれ、字形に変なクセが出てしまい、慌てて修正しながら、何とか書き上げることができました。
「自分が書きたいものを書く」を目標に、作品作りをしています。今回の私の書いた縁起物が、少しでも皆様の笑顔につながれば幸甚です。
この受賞の喜びを励みに、これからも一層の精進を重ねてまいる所存です。
最後になりましたが、日本書道教育学会の益々の御発展を心よりお祈り申し上げます。
石橋犀水賞 永瀬 和子
この度は、第二十五回不二現代書展におきまして、石橋犀水賞を賜り、誠にありがとうございました。犀水先生の御名前を冠する栄誉ある賞に、感激で胸が一杯でございます。
これも偏に、会長先生をはじめ、審査にあたられた諸先生方の御厚情と、恩師中村清徳先生の熱心な御指導の御蔭と厚く御礼申し上げます。また、大切な家族・書友の皆様に心より感謝致します。
今回の題材は、高村光太郎の詩「母をおもふ」の一部分です。光太郎の切ないまでの母への慕情が胸に響き、亡き母へ感謝の気持ちも込めたく、この詩に決めました。
制作にあたりましては、新和様の夏季講座を受講した時、講師の内堀信嶺先生より「新和様階梯」を読むように御指導戴きましたので“新和様の志向するところとしての条件”を読み返し、漢字と仮名は勿論、現代建築との調和も念頭に置き、方形にチャレンジしました。構成や紙質・墨量など、試行錯誤の中で多くを学ぶ機会を得た事が何よりの幸いでした。
この受賞を励みに、一層の精進を重ねて参りたいと思います。
最後になりましたが、日本書道教育学会並びに不二現代書展の益々の御発展を御祈り申し上げます。