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支部 |
作者名 |
選評 |
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書学 |
今村 素翠 |
この方は一字書でいつも含蓄に富み、 餘白、 分間を輝かせた作風を見せている。 腕の立つ人だ。 今回の 「山雨渓足」 は、 章法も優れ、 行書としての最善の運筆要領を示している。 上手だけではなく、 情性に富み詩情を窺わせて心地よく、 場中第一の作。 |
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横浜 |
宇藤 桂苑 |
ゆったりとした筆運びと奇を衒うことのない穏やかな広がりの散らしが墨色の変化に調和。 趣のある作品に仕上げている。 |
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伊賀 |
石田 春水 |
春水氏は嘗て大阪書学院に在り吉田六嶺先生に學び、 新和様を通して筆使いや作品づくりでの章法の基本を學びそれを物にした。 この作は、 素直で簡にして要を得た書きぶりで大らかで見事。 この紙面を見ても書かれた歌が全て読めてよい。 大いなる成長を見る。 |
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観門 |
小林 映山 |
七言二句の課題を淡墨にて明快に表現した作品。 特に繊細な筆捌きの一方ダイナミックに行草体を一気呵成に書き上げた姿が美しい。 師のあとをよく継いでいる。 |
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初音 |
岡本 智子 |
弱加工紙に紙背を突くような深い線が流れの中にリズムとアクセントを生んでいる。「ほのかに」 の表現に一寸無理があるが、 闊達な線が心地よくうつる。 |
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九書 |
長谷川 裕美 |
一行目はやや含墨が過ぎた。 誠に自然体で筆を運び書き連ねて、 行の通りも見事。 二行目の 「片割の月」 は一行目に呼応してよいが、 二行目の見せ処の五字に書き込みが足りぬ。 |