文部科学大臣賞
第75回 文部科学省認定 社会通信教育修了者表彰
書道の社会通信教育講座として、昭和34年に日本で初めて文科省の認定を受け63年。今年も優秀な成績を修められた3名の方が文部科学大臣賞を受賞されました。残念ながら授賞式は中止となってしまいましたが、ここに受賞者の喜びのこえを紹介します。
受賞者の声
栄えある文部科学大臣賞を受賞された方々の、喜びの声を御紹介いたします。
受賞者一人ひとり、受賞までのさまざまな思いを込めて語られています。現在受講中の皆様にも励ましとなり、また目標となることと思います。
第75回 受賞者 よろこびの声
書道基礎科講座 修了 坂上 鼓 | |
ペン習字基礎講座 修了 伊藤 梨恵 | ペン習字教育講座 修了 黒河内 倫子 |
書道基礎科講座 修了 坂上 鼓
海外生活が長いことと生活がデジタル化していることで、日本語を手書きで書くことが殆どなく漢字を思い出せないことが多いです。メール、テキストのやり取りは、ローマ字入力変換で画面の表示から選択できますが、手書きの場合は辞書を引かなければ書けません。
読む能力にも問題があり、日本で買った掛け軸になんと書いてあるのか知りたいと海外の方に問いかけられることが時々あるのですが、変体仮名が読めず恥ずかしい思いをします。
自分は日本人としてのアイデンティティーを失いつつあると感じていて、それが書道基礎科講座を受講し始めた理由のひとつです。
もうひとつは、デジタル化で偏った日常に書道というアナログの世界を取り入れて、心の均衡をとるためです。受講中はブルーライトを放つパソコンから離れて、白紙に目を集中させ、職場の慌ただしさとは異なる、ゆっくりとしたペースで運筆することが、傾いた心身のカウンターバランスとなりました。
ペン習字基礎講座 修了 伊藤 梨恵
私は以前ペン習字教室に通っておりました。尊敬できる先生の元で上達することができたのですが、仕事が多忙になったことや先生がご高齢になられたこともあり、字の練習は殆ど独学になりました。しかし、独学では、自分の悪い癖が出て良い字が書けていないように感じるようになりました。正しい、美しい字をもう一度基本から学び直したいとの思いで、ペン習字基礎講座に申し込みました。
講座を始めて、ひらがなやカタカナ、漢字の楷書や行書といった基礎的なことから学び直しができ、自分の癖や間違った解釈を少しずつ直すことができました。また、添削や質問の回答を頂くことで、細かな間違いに気づいたり、アドバイスによって苦手を克服できたりと、非常に有意義な学習ができました。
講座の途中で妊娠が分かり、つわりも重かったため、なかなか筆が進まないときもありました。ですが、通信講座は自分のペースで進めることができるので、体調の良い時に課題に取り組み、修了することができました。
講座は修了しましたが、使用した教科書や添削された課題、質問の回答は大事な今までの学びの足跡です。迷ったときは振り返り、今後の学習に役立てていきたいと思います。
最後に、このような栄誉ある賞に選んでいただきありがとうございました。これからも美しい字が書けるよう精進してまいります。
ペン習字教育講座 修了 黒河内 倫子
学び直しを目標に、ペン習字基礎講座からペン習字教育講座を続けて受講し、無事修了することができました。長丁場になりましたが、生活の一部として学べたことは貴重な体験となりました。
添削の美しい赤字を目にするたびに、ああこんな字が書きたいという思いと、毎回欠点を見事に指摘してくださる先生の的確なアドバイスに納得することばかりでした。
また、驚くほど多彩な内容の教材は、これから先、何度も見返すことができる宝物です。
ペンを持っているときは日常の喧騒から解放され、自分を見つめられる充実した時間でもあります。上達することを目指しながらも、急がず、焦らず、何度でも出発点に立ち戻り、この学びの過程を楽しみたいと思います。
最後になりますが、御指導いただきました先生方に心より感謝申し上げます。