公益財団法人日本書道教育学会

受賞所感紹介

特別賞を受賞された皆様の受賞所感をご紹介いたします。

受賞おめでとうございました。

第34回不二現代書展 受賞所感

第34回優秀作品紹介はこちら

新和様・漢字造型書作家協会賞 阿部 彩雪

阿部 彩雪

この度は思いがけなく第三十四回不二現代書展に於いて、新和様・漢字造型書作家協会賞を賜り、身に余る栄誉ある賞に驚きと感謝の気持ちで一杯でございます。これも偏に石橋鯉城先生はじめ審査にあたられました諸先生方のご厚情と、常に懇切にご指導頂いております恩師、並びに書友の支援のお陰と心より厚く御礼申し上げます。

日本最高峰の独立峰で、その優美な風貌は、日本国外でも日本の象徴として広く知られている「富士山」を題材に選文しました。

今回は、形式縦とし、行が変化を有しながら展開する事を意図し、淡墨の妙味を添加し行の有響呼吸を配慮し、文字の大小潤渇調和を考え、紙は大好きな絹目夾宣を使い制作いたしましたが紙・墨・筆との相性の微妙さも大変勉強になりました。

この受賞を糧に、恩師の教えを忘れることなく自己の感性、発想を生かしうる表現法を学び、決意新たに一層研鑽して参りたいと存じます。

今後とも、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

末筆になりましたが日本書道教育學會の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

新和様・漢字造型書作家協会賞 安廣 清翠

安廣 清翠

この度は、第三十四回不二現代書展におきまして、栄えある「新和様・漢字造型書作家協会賞」を賜り誠に有難うございます。

昨年の審査会員推挙に続き、今回の書作家協会賞という思いがけない朗報に驚きと喜びで身の引き締まる思いです。

石橋鯉城先生はじめ、諸先生方の御温情の賜物と感謝申し上げます。今日までご指導戴きました諸先生方に心より御禮申し上げます。

今回の拙作は、黄山谷の李太白憶舊遊詩巻を學んだおり心に留めおいた一文字「動」を書かせて戴きました。墨は大好きな淡墨。今回は、松煙青墨元燮と昭和三十七年製造の古墨、酌酒(しゃくしゅ)を使用。書き終え文字構成から感じとれたのが「調和」というタイトルでした。

これからも新たな気持ちで一層の努力と精進を重ねて参ります。今後とも御指導賜りますようお願い申し上げます。

書友の皆様の励まし、そして家族の理解に感謝いたします。

最後になりましたが、日本書道教育學會、そして不二現代書展の益々のご発展を心より祈念申し上げます。

ありがとうございました。

新和様・漢字造型書作家協会賞賞 吉田 玉雪

吉田 玉雪

この度は、第三十四回不二現代書展におきまして、栄えある「新和様・漢字造型書作家協会賞」を賜り誠に有難うございます。

昨年の審査会員推挙に続き、今回の書作家協会賞という思いがけない朗報に驚きと喜びで身の引き締まる思いです。

石橋鯉城先生はじめ、諸先生方の御温情の賜物と感謝申し上げます。今日までご指導戴きました諸先生方に心より御禮申し上げます。

今回の拙作は、黄山谷の李太白憶舊遊詩巻を學んだおり心に留めおいた一文字「動」を書かせて戴きました。墨は大好きな淡墨。今回は、松煙青墨元燮と昭和三十七年製造の古墨、酌酒(しゃくしゅ)を使用。書き終え文字構成から感じとれたのが「調和」というタイトルでした。

これからも新たな気持ちで一層の努力と精進を重ねて参ります。今後とも御指導賜りますようお願い申し上げます。

書友の皆様の励まし、そして家族の理解に感謝いたします。

最後になりましたが、日本書道教育學會、そして不二現代書展の益々のご発展を心より祈念申し上げます。

ありがとうございました。

石橋犀水賞 辰巳 望水

辰巳 望水

この度、第三十四回不二現代書展におきまして、栄誉ある石橋犀水賞を賜り、驚きと感謝の気持ちで一杯でございます。これも偏に審査委員長石橋鯉城先生はじめ、諸先生方の御温情の賜物と深くお礼を申しあげます。

今回の作品は「千字文」より、「蘭」を選びました。「私らしい蘭を書く」と書友に言い切ってしまいましたが、果して自分らしく書くことが出来るのか不安でした。暮に頂きました蘭に、朝な夕なに語りかけ、私らしい「蘭」のイメージを膨らませ、一字書に求められる造型、構成にはなか〳〵辿り着かず、反故の中よりの一枚に、私の心を引き立てる感情が沸き、選別に迷い、恩師に御相談をしましたところ、「もう一度書くように」とのご助言を頂き、あと二日、最後の力を振り絞っての一枚です。まだ〳〵不充分なのですが、私らしい「蘭」に一歩近づけたように思います。今回の書作で感じましたことは、恩師のように、良きアドバイスが出来るそういう指導者になりたいと思いました。

この受賞を機に、賞に恥じないよう、楽しみながら、一層の努力と精進をしてまいります。

石橋鯉城先生、石橋應和先生はじめ諸先生方に、今後とも御指導御鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

終りになりましたが、日本書道教育学会並びに不二現代書展の益々のご発展をお祈り申し上げます。ありがとうございました。

石橋犀水賞 東仲 遙邨

東仲 遙邨

不二現代書展作品を出品する頃は、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、緊急事態宣言が再発令されました。更にそれが延長され、三月七日までとなった時、大阪市立美術館で開催される不二現代書展は中止となりました。家に居る時間が増えました。普段やれないことをやり、時を過ごしました。不二現代書展は特に書きたいことばに出会うことが一番です。この度の作品はスイスの彫刻家ジャコメッティのことばです。

 数年前、国立新美術館でジャコメッティ展がありました。細い針金みたいな彫刻作品なのですが、ふくらみもあり、鋭さもあり、やさしさもあり…です。私はそのことばに魅せられ、何度も何度も作品構成にあたりました。が、書いていることばと作品がバラバラで出品間際まで苦慮しました。不二誌の一字書「かな」で、一字一字にも工夫するようになり、今回の作品づくりには効をなしたような気がします。

石橋犀水賞を賜り有難うございます。書にむかう姿勢の変化を示唆されたような気がします。

書友に感謝しつつ、日本書道教育学会、不二現代書展の益々の発展をお祈りいたします。

審査会員推挙 秋本 溪月

秋本 溪月

この度、第三十四回不二現代書展において審査会員推挙との知らせが届きました。心より御礼申し上げます。

不二現代書展は、第一回展よりの出品で、第十一回展は都合により不出品、そして第十二回展から今回まで続けて出品する事が出来ています。結果はどうあれ「継続は力なり!」と自分に言い聞かせながら。最初は新和様のことをよく理解できないまま、手さぐりの出品だったと思います。次第に書学や展覧会場で数多くの作品と出会い、形体、墨色、紙質等々、勉強させて頂きました。観る目を養うことの大切さを教えて頂きました。

今回の作品「芭蕉の奥の細道」は、日頃、小作品や折帖に楽しんで書き遊んでいるものの中から、作品をと選んだものです。いつもなら、始めに構成を重視するのですが、まるで芭蕉さん、曽良さんと一緒に旅しているかのような情景を思いながら紙に向かい、淡々と書いた一枚です。

これからも気負わず、心して書に向かいたいと思っています。ご指導よろしくお願い致します。

最後になりましたが、日本書道教育學會の益々のご発展をお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

審査会員推挙 大塚 慶州

大塚 慶州

令和三年に入り、第三十四回不二現代書展において審査会員推挙という栄誉ある賞の通知をいただきました。誠にありがとうございます。今までを振り返れば書のことは何も分らないまま仕田原秋琴先生の教室と出会い、先生に励まされながらここまで続けることができました。この賞は長年継続してきたご褒美をいただけたと受け止めています。今回は高田敏子さんの詩が目に止まり、その一節を作品にしました。詩の情景が少しでも伝わるようにという思いと秋琴先生がいつも言われる筆が動くままできるだけ自然に書くということを心掛けましたが、書けば書くほど壁にあたり満足するような出来にはなっていないという思いは強くあります。書には終りのないことを痛感しています。今後ともこの賞を励みに人生の楽しみとして書道を続けてまいります。何卒ご指導賜わりますようお願い申し上げます。

新型コロナの影響で活動が制限される中ではありますが、日本書道教育學會、不二現代書展の益々のご発展をお祈り申し上げます。

審査会員推挙 亀川 清苑

亀川 清苑

この度は審査会員推挙という栄誉ある賞を賜り、石橋鯉城先生はじめ審査に当たられました諸先生方のご温情に厚く御礼申し上げます。

一昨年、大阪書学院の一字書講座で、石橋鯉城先生から多くの事を学び、一字書が更に楽しくなりました。感謝の気持ちで一杯でございます。

コロナ禍の今、書を継続して学べる幸せをあらためて感じております。

この度の受賞を励みに、一層精進して参ります。有難うございました。

末筆ではございますが、日本書道教育學會の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

審査会員推挙 平野 芳璋

平野 芳璋

この度、第三十四回不二現代書展に於いて審査会員推挙という栄誉ある賞を賜り感謝の気持ちでいっぱいでございます。石橋鯉城先生はじめ審査にあたられた諸先生方の御厚情に心よりお礼申し上げます。

思い起こせば、昭和六十三年、阿倍野展示会場で開催された第一回不二現代書展に出品以来三十四回目にしてやっとたどり着いた受賞に感激しております。

恩師竹内観雪先生はじめ学会の諸先生方、長年励まし合いながら歩んできた書友の皆様に深く感謝いたしております。

令和二年は、コロナ禍で、全国各地の伝統行事が次々と縮小・中止されました。「五山の送り火」のテレビ中継は毎年楽しみにしていて、今年はどうなるのかと心配していたのですが、規模を縮小して実施され、無事点火された時は感動いたしました。私は、近年短歌の勉強をはじめ、ここ数年は不二現代書展に自詠の歌を出品してきました。今年はどの歌にしようかと考え、「五山の送り火」を見た時の感動を詠んだ歌に決め、添え書きを入れて作品に仕上げました。世界中が大変な年であったことを、それでも皆が必死に生き抜いたことを心に刻んでおきたいと思っております。この受賞で忘れられないものとなりました。

最後になりましたが、日本書道教育学会ならびに不二現代書展の益々のご発展をお祈り申し上げます。

審査会員推挙 吉家 桂雪

吉家 桂雪

この度、第三十四回不二現代書展におきまして、審査会員推挙の身に余る栄誉を賜り、誠に有難うございました。

審査にあたられました石橋鯉城先生はじめ諸先生方の御厚情に深く感謝申し上げます。今日までご指導賜りました、山本溪雪先生、内山玉延先生に心より御礼申し上げます。又、共に学びいつも励ましてくださった書友と、何かと協力してくれた家族にも感謝致します。

今回の作品は、会津八一の「春来ぬと…」(興福寺をおもう)という歌を、五重塔や満開の桜の風景を思いながら書かせて頂きました。用美一体の書を目指しておりますが、道は深くて遠く、少し表現不足ではないかと熟慮中での出品となってしまいました。

未だ道半ばですが、この賞を励みに更に精進してまいります。今後ともご指導賜りますよう宜しく御願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育學會ならびに不二現代書展の益々のご発展を祈念申し上げます。

有難うございました。

審査会員推挙 吉池 芳葉

吉池 芳葉

第三十四回不二現代書展において「審査会員推挙」の身に余る賞を賜り、誠に有難うございました。会長石橋鯉城先生はじめ審査の先生方のご厚情に心よりお礼申し上げます。

この一年近くコロナ禍で書展など活動の機会を逸し、書作の気力さえ失いそうでしたが、在宅時間が増えて筆を持つ充電期間と思うようにしました。

星野富弘さんの詩には感銘を受けるものが多いのですが、描かれた画詩を見ていると、書で書いてみたい気が起こります。今回の「麦の穂」は景色が浮かぶように書けたらと願いました。一つとして同じものはなく、ぶつからず、離れすぎず、それぞれが力強く天に向って伸びている麦の姿。文字列の一行一行が麦の穂のように力を持って存在したい。同じ文字の繰り返しには変化をもって表わしたく思いますが、眺めていて誰もが受け入れられる文字の形や線美に行き着けず、ただ荒々しくなりました。文字の造型の修練が足りないと痛感いたしております。

新和様の魅力は感じた思いを書で自由に表現することですが、自由を充たすには技法、章法、美の要素など多くを知る必要があります。師亡き後、指導を辿っての書作でした。

審査会員推挙にはまだ能力及ばないと存じますが、この受賞を機にあらためて新和様の志向するところを学び進め、精進して参りたいと思います。今後ともご指導賜りますようお願い申し上げます。

創立七十周年記念賞 青戸 佑華

青戸 佑華

この度は第三十四回不二現代書展に於きまして、栄えある「創立七十周年記念賞」を賜り、身に余る光栄に存じます。

石橋鯉城先生はじめ諸先生方には勿論、常日頃温かく支えて下さっている先輩方や書友の皆様に心より御礼申し上げます。

今回は無鑑査としての初めての出品でした。それ故その名に恥じぬ様にとの思いばかりが先走りし、なかなか思う様にはいかず力不足のままの出品となってしまいました。その様な拙作に思いもかけない高評価を頂戴致しまして、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。

この一年、コロナ禍において非常事態が長引く中、書活動も例外なく翻弄され、日常的にも平穏ではありませんでした。そんな中で書に親しむ時間は、私にとって実に有意義で楽しいものであると改めて痛感致しました。恵まれた環境や書を通してご縁を頂いた全ての方々に感謝をし、これからもマイペースに楽しく書の道を歩んで行きたいと思っております。

この受賞を励みに身を引き締め、より一層精進してまいりますので、今後共ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展と皆様のご健勝を心より祈念いたします。

創立七十周年記念賞 浅野 春岳

浅野 春岳

創立七十周年おめでとうございます。コロナ禍の未曾有の困難の中における、ご指導と発表の場づくりにご尽力なされている石橋鯉城会長先生始め諸先生と事務局の皆様に心から感謝申し上げます。また、このたびは身に余る栄誉を賜り厚く御礼申し上げます。

昨年七月に杉本博司著「現な像」で木彫十一面観音立像に出会いました。頭上に頂く九体の化仏と頂上物の顔が全て省略された無名像で氏の持仏です。写真ですが穏やかで心が洗われる味わい深い木像でした。氏曰く「修行僧が原木から顕現した像を彫ったもので頭上の化仏までは像を結ばなかったと解釈、梁塵秘抄の『仏は常に在ませども 現ならぬぞあはれなる 人の音せぬ暁に ほのかに夢に見え給ふ』を想い起こした」と。

無性に書きたいとの思いが強く、早速草稿に着手しましたが長く暗中模索でした。十一月に横作品に気づいて漸く仄かな明かりが見えました。半切数枚の草稿を作り、永井香樹先生から「文節を活かして余白を見せる」とのご指導を戴き更に添削を戴いて、一気に書きました。紙が残り僅かになった時に墨色が気になり、思い切り薄めて書いた作品です。

受賞の報に接して一夜が明けましたが未だ夢のようです。本当に有難うございました。

公益財団法人日本書道教育学会と皆様方のご発展を祈念申し上げます。

創立七十周年記念賞 内村 泉水

内村 泉水

この度、第三十四回不二現代書展におきまして、創立七十周年記念賞という身に余る栄誉を賜り喜びと感謝の気持ちで一杯でございます。

これも偏に審査にあたられました石橋鯉城先生をはじめ諸先生方、更に毎月一回ご指導下さいます小久保嶺石先生に心から御礼申し上げます。そしてクラスで共に学び励まし合える書友の皆様に感謝いたします。

今回の作品「鵞」は「雀」という字からはじまった鳥の名前に続くものです。135cm×135cmの画仙紙は初めて書く大きさで、書きはじめると苦労がつづき、墨がうすいため墨量が多いとたちまち滲んで墨絵のようになり、少ないと一本調子で筆は蟹の足のように開いてしまい、紙が大きくなった分に気を取られるという書き出しで、勉強不足を感じるよい経験となりました。

一字書はとても楽しく、白い大きな紙に洋服を着せてあげるような感じがします。力強い表現ができるよう精進して参りますので、これからも御指導下さいますようお願い申し上げます。

最後になりましたが日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

創立七十周年記念賞 鈴木 江雪

鈴木 江雪

この度は第三十四回不二現代書展におきまして、創立七十周年記念賞を賜りましたことは身に余る光栄と恐縮致して居ります。

これも偏に、石橋鯉城会長先生はじめ、審査にあたられました諸先生方の御温情の賜物と心より深く感謝申し上げます。

本年はコロナ禍の緊急事態宣言の中でのご審査、心労のなか誠に有難うございました。厚くお禮申し上げます。これまで御指導賜りました諸先生、いつも温かく励ましてくださる書友の皆様のお陰とありがたく存じます。

今回出品作「鐵」コロナ禍に鐵石の如く、強く動じないように…と。試行錯誤の中、筆・墨・用紙を何度も変えましたが、思いだけが先行して空回りの日々が続きました。文字を書くのではなく、心情を一気呵成に情景を思い浮かべながら書かせていただきました。大画面に一字書は大変苦しく又楽しい気持ちで、白・黒の世界に挑戦できる醍醐味は格別で至福の時でございました。書ける事に感謝致します。

この受賞を励みに、一層研鑽に努め精進してまいります。今後とも御指導を賜りますようお願い申し上げます。

最後になりましたが日本書道教育學會の益々のご発展を祈念し、お禮のことばとさせていただきます。

創立七十周年記念賞 森下 秋霖

森下 秋霖

この度は不二現代書展におきまして「創立七十周年記念賞」を賜り、誠に有難うございます。

石橋鯉城先生をはじめ、審査に当たられました諸先生方のご厚情に心より御礼申し上げます。そして、いつも温かくご指導くださる船橋玉苑先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

昨年から私達の生活には様々な変化が起き、少しずつ不安や我慢が積り、心の風通しが悪くなることもありました。ある朝、山に太陽の光が射して、まるで天と繋がっているかのように見えました。その優しい光は平等に人を照らし、洗濯物を乾かし、動物がひなたぼっこをし…神様からの贈り物のように感じられ、「陽」「光」の成り立ちを調べました。白川静氏の『字統』には―「陽」の「⻖」は神が陟降する神梯の形、「昜」は台の上の玉の光が下方に放射する形で「陽」は神梯の前に置かれた神の威光を示す。とあり、また「光」は邪悪なものを焼き払い清める力のある「火」と「儿」からなり、その聖火を捧げ持つ人の姿―とあります。その成り立ちに思いを巡らせていると、古代の人々も天から降り注ぐ陽光に癒され励まされながら、困難な時代も乗り越えてきたのかもしれないと力をもらいました。陽の光が梯子を使って降り注ぐイメージと、陽光の持つ優しさと力強さ、全てを包み込むような温かさをそのまま表現したいと思い、甲骨文で挑戦しました。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

文部科学大臣賞 市川 華泉

市川 華泉

この度、第三十四回不二現代書展に於きまして『文部科学大臣賞』を賜り、誠にありがとうございました。私には全く無縁だと思っておりましたので、通知を頂いた時には驚きしかございませんでした。これも偏に、審査に当たられた石橋鯉城会長先生をはじめ、諸先生方のご厚情と深く感謝申し上げます。

私は高校時代に三浦真琴先生に出会い、卒業後には故佐藤平泉先生に師事して参りました。加えて文鳳会へも入会させて頂き、特に合宿では全国の先生方の熱量を感じたのを鮮明に記憶しています。十年前に東京へ転居後も、両先生には変わらずご指導いただき、また、温かい書友の皆様や家族にも支えられ継続出来たと感謝の気持ちで一杯です。

振り返れば特にこの十数年は子育てもあり、筆を置きがちでした。しかし、日々の生活の中で生まれる葛藤と戦ううちに、書という自己表現を通して自らを慰めることができると気付き、改めて書と向き合いたいとの想いで、今年度、久々に公募展に出品しました。古代文字の造形に先人たちの感性を感じるのもさることながら、墨縁に恵まれ、周りに支えてもらった感謝の念をこの「運」という言葉に込めています。思いがけず身に余る栄誉を頂戴し、やはり幸「運」に感謝せずにはいられません。

不肖の身ではございますが、これからも一層、表現の世界を追求する所存でございますので、今後ともご指導の程、よろしくお願い致します。

末筆となりましたが皆様のご健勝と日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

文部科学大臣賞 段野 倫子

段野 倫子

〝正を学び、然る後、奇を学べ、而して怪になるべからず〟この言葉は現代文を書くにあたっては定石、土台にあること。随分前のことではありますが、新和様講義で学びました。絵画ではなく文字であることと、理解しています。

皆が読め、日本の墨で書かれ又、墨の香りで心、癒される。こんなことが今のコロナ禍に於ても、なぐさめの一助となるのではと思っています。

書道にめぐり会え一生の楽しみとして、この歳まで続けられていることは、この上ない幸せです。

ただ今回の大きなサイズの作品には、参りました。踏み台に乗り全体の写真を撮り、墨量や配置を確かめながらやっと最後に〝これが一番〟と決め出品しました。

腰痛を気にしながらも、ひとりワクワク熱くなる自分がいました。

楽しい楽しい書道に万歳です。

受賞させていただき心から、有難うございました。

大阪府知事賞 岡﨑 芝園

岡﨑 芝園

この度は、第三十四回不二現代書展におきまして「大阪府知事賞」という栄誉ある賞を賜りまして、大変恐縮しております。偏に、石橋鯉城先生はじめ諸先生方のご厚情と深く感謝申し上げます。

三年前になりますが、大阪書学院にて受講致しました大塚芝晃先生の夏季講座におきまして、淡墨の奥深さと青墨の美しさに魅せられました。今回の作品は、淡墨研究を課題に致しました。書き進めるうちに、全紙横継ぎを前にしての筆選び、特大筆に含ませる墨の量によって、二文字目の見せ方が変わることを学びました。「風」にかすれを出すことができず苦しみました。そして、大作をより大きく見せ迫力に溢れた字の構成と、最初の課題とした滲みに納得のいく作品を出品するに至りました。

世間は自粛を強いられた年末年始でしたが、私にとっては作品制作に没頭できた貴重で幸せな時間となりました。本受賞を励みに、今後も書道に真摯に向き合い精進して参ります。

コロナが明けた「暁」には穏やかな「風」が吹きますように。日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

大阪市長賞 中村 青霞

中村 青霞

この度は、第三十四回不二現代書展におきまして大阪市長賞という栄誉ある賞を賜り誠にありがとうございました。

これも偏に、石橋鯉城先生をはじめ審査に当たられました諸先生方のご厚情の賜物と深く感謝申し上げます。

思えば、書の道を志して長い年月が経過しておりますが、今日まで継続して学ぶことが出来ているのは、いつも優しく温かいご指導をしてくださる船橋玉苑先生のお陰と心より感謝申し上げます。

師匠から与えられたテーマ「響く線を求めて」を、ここ数年、自分なりに色々チャレンジしてまいりました。心に残る響く線について研鑽を重ねてきましたが、まだまだ納得ができている訳ではありません。

それでも、今回の受賞は私にひとつの光を与えて頂けたような気がしています。

この受賞を励みに、これからも努力精進致してまいります。

今後とも、ご指導賜りますようによろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

大阪市教育委員会教育長賞 鈴木 華邑

鈴木 華邑

この度は思いがけない栄えある大阪市教育委員会教育長賞を頂戴しまして誠に有り難うございます。

石橋犀水先生が考案され提唱なさった新和様は漢字作品と異なってホッとする一面があります。毎年題材に苦労しますが今回はたまたま平安時代前期の筆跡を調べているうちに空海の書論が目に留まりました。書というものは・・・ で始まり心に感動するものを表現しなければならないと説いた書道芸術論です。思うように創作出来ず迷ったあげく意に染まぬ作品になるのが常でしたので心にずんときた瞬間でした。そして、その一節を作品にしてみようと決心した訳です。空海の言葉ということで緊張しましたが今持っている実力で力まず書くことが出来ればという思いで制作に取りかかりました。字数が多いので余白部分をどう取るか、草稿には時間をかけたおかげで最終的にリラックスして書けたと思います。紙では少々苦労もしました。書きたい紙があったのでお店に注文すると在庫切れとのこと、しかも新型コロナの影響で船便が止まり入荷予定立たずとの返事、仕方なく家に少し残っていた安徽省の紅星牌に似た紙を使って書き上げた次第です。犀水先生は新和様作品の墨色にはとても気をつけておられたのを覚えております。お天気次第でも墨色が変化するので思う様にはならず、そこが作品制作の醍醐味でもありますが。

これからは古典を深く追求された先生方の教えを守りなお一層取り組んで参る所存です。

最後になりましたが日本書道教育学会の更なる発展をお祈り申し上げます。

創立七十周年記念賞 浦上 翠遊

浦上 翠遊

この度は創立七十周年記念賞を賜り予期せぬ事で驚きと共に喜びも一入でございます。これも偏に石橋会長先生をはじめ諸先生方の御厚情の賜と心より御礼申し上げます。

子どもの頃の私はお習字しか知らず、書の奥深さをひしひしと感じたのは大人になってから通った大阪書学院での授業でした。何をしてもなかなか上達できず自信を失いそうになりながらも先生方のアドバイスや仲間の優しさに助けられ続けることができました。

私自身のことではありますが長期体調を崩しましたが、今は大阪書友くらぶに籍を置きながら先生方と楽しい仲間に恵まれ勉強させていただいております。

作品作りの過程ではなかなか思うようにいかないのが常日頃ではありますが、大阪書学院で学んだ新和様は私の中で作品に率直にそして無限に表現できる楽しいものとして気づかせてくれております。今回の作品は、高浜虚子の俳句から選びました。制作に当たり戸惑いながらも好きな言葉に出会ったことで練習する中、ふと一気に書き上げることができました。とても不思議な感覚だったことは覚えております。そして今思うのは、高浜虚子が詠んだ思いと私の表現がどのように現せていたかと思い巡らせているところです。

今後も先生方の御指導を賜り精進していきたいと心より思っております。

創立七十周年記念賞 枝正 紅蘭

枝正 紅蘭

この度は、第三十四回不二現代書展におきまして、「創立七十周年記念賞」という栄えある賞を賜り、誠にありがとうございます。

これも偏に、石橋鯉城先生をはじめ、審査にあたられました先生方のご厚情の賜物と心より御礼申し上げます。恩師進藤正則先生に直接受賞の報告をすることができませんが、きっと喜んでくださっていることと思います。また、今日まで共に学んできた書友の皆様に深く感謝申し上げます。

今回の作品は、与謝野晶子の短歌を題材に、ゆったりと温かい表現を目指して制作しました。始めは、思うように文字が紙面におさまらず、試行錯誤の連続でした。青墨の深みを出したくて、墨色の変化を意識しながら書きあげました。 まだまだ未熟ですが、たくさんの課題をみつけながら書き続けることで、少しずつ前に進んでいきたいという思いでこの作品を出品いたしました。

仕事と育児に追われる日々の中で、筆を持つ時間は唯一の楽しみでもあります。家族の理解もあり、恵まれた環境の中で書の勉強ができることに感謝しつつ、この受賞を励みに、より一層精進する所存でございます。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

創立七十周年記念賞 金子 彪玉

金子 彪玉

この度は、伝統ある第三十四回不二現代書展に於いて「創立七十周年記念賞」という身に余る栄誉を賜り、誠に有難うございます。驚きと感謝の念で一杯でございます。

これも偏に石橋鯉城先生をはじめ審査にあたられた諸先生方のお陰と厚く御礼申し上げます。

また、今まで大変お世話になった東京支部の先輩方、いつも尊敬してやまない書友の皆様そして家族の理解に感謝いたします。

書道が継続できていますのも書学院特設科の永井香樹先生との出会いによるものと思っています。永井先生はクラス全員に日々の臨書の大切さ、継続の大切さを教えて下さり、熱意あるご指導には心より感謝いたしております。

今回受賞しました「生」は画家平山郁夫先生が「失敗してもくじけずに努力をする姿が『生』そのものだ。そこには人間としての美しさがあり、美しさは必ず相手に伝わる」との言葉に感銘し選びました。

これからもこの賞に恥じることのないように精進して参りたいと思います。皆様ご指導よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育學會の益々のご発展を祈念申し上げ御礼の言葉とさせていただきます。

創立七十周年記念賞 河合 清秀

河合 清秀

この度、第三十四回不二現代書展におきまして、創立七十周年記念賞を賜り誠にありがとうございました。このような栄誉ある賞を賜り、驚きと感激でいっぱいです。

コロナ感染症によるステイホームを余儀なくされた年末年始、狭い我が家では落ち着いて書く場所も時間もなく出品を諦めかけました。オンラインで学習している娘たちのいる中、限られた時間と空間での作品づくりとなりましたが、かえってまだまだ課題の多い私にはのびのびと書ける空間となったのだと思います。

日頃より神田書学院特設科で浅学菲才の私に懇切丁寧にご指導くださいます小久保嶺石先生、並びに師範科からのご縁でご指導くださいます佐々木青風先生に心より感謝申し上げます。

また娘たちを通して出会った故原田紅彣先生は私を書道の世界に導いてくださいました。先生の教えである書き続けることの大切さを忘れずにこれからも日々精進して参りたいと思います。たくさんの書友から学び、励まされ、家族の理解と支えがあっての今回の受賞だと思います。心より御礼申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

創立七十周年記念賞 鈴木 恵津子

鈴木 恵津子

この度は、第三十四回不二現代書展において創立七十周年記念賞を頂きまして、ありがとうございました。

書学院で新和様と出会い、漢字、かなとは違う表現に、とまどい、迷いながらも、永井香樹先生のご指導で、少しずつ、前向きに新和様に取り組めるようになりました。ただ、学びを重ねる程に、奥の深さを実感し、思いを伝えることの難しさは、尽きることがありません。

この作品は、友人が贈ってくれた歌集の中の一首で、誰もが経験する「こんなことあるよね」と思えるおさなごの光景を、温かく見つめる目に共感したものです。のどかで、なつかしくて、ゆとりある空気にほっと出来る人生の一コマに、コロナ禍にある今だから持ちたい心のゆとりを感じて、やさしい気持ちで書き上げることが出来ました。

思いがけない受賞の連絡にびっくりし、と同時にうれしさがこみ上げて参りました。これを機に、心新たに書道に取り組もうと思います。これまでご指導いただいた先生方、書友の皆様へ感謝申し上げます。

末筆になりましたが、日本書道教育学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

創立七十周年記念賞 髙橋 和子

髙橋 和子

この度不二現代書展におきまして、創立七十周年記念賞という身に余る賞を賜り驚きと感謝の気持ちでいっぱいでございます。

これもひとえに石橋会長先生をはじめ審査員の諸先生方のご厚情によるものと心よりお礼申し上げます。又、日頃よりご指導いただいております中村清徳先生、そして書友の皆様のお陰と感謝しております。

今回の作品は、力むことから脱出しようという思いだけで挑みましたが、その思いとは裏腹に最後まで苦慮いたしました。不本意な作品ではありましたが挑戦したことに意味があると自分を納得させての提出となりました。

書を学べることに感謝し、今回の賞に恥じないように精進して参りたいと存じます。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、日本書道教育学会の益々の発展を祈念して止みません。

創立七十周年記念賞 舟㟢 玄真

舟㟢 玄真

このたびは創立七十周年記念賞という栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。書歴の浅い私の拙い技術では、まだまだ何かを表現するというレベルに達しておらず、もっと表現力を磨く努力をしなければと感じていたので、このような大きな賞を頂けた事は、喜びとともに身が引き締まる思いです。

恩師である勝又楓苑先生は、書の上達のためには書だけではなく色々な事に興味を持ちなさいと教えてくれます。様々な事に触れ、経験することが書の深さを増すという先生の言葉は、いつも頭でっかちになり行動に移せない私の心に響きました。

今回選んだのは「躍」という一字です。激しい変化に先が見通せず不安になりがちなこんな時代だからこそ、頭でっかちに考え込んで卑屈にならず、積極的に行動して心も身体も躍動したいという思いから、この一字を私なりに表現したつもりです。いろいろな事に楽しみを見出したい。周りに躍らされても、自ら躍っても、同じ躍り。それならば、この状況を精一杯楽しみたいという私の思いが、この字を見た皆さんにも伝わったならとても嬉しいです。

最後に、このような賞を頂けたのは、恩師である勝又先生、節目ごとに喝を入れて下さる永井先生、共に学び刺激を与えてくれる書友の皆さんの存在、そしていつも寛大な心でサポートしてくれる家族のお陰だと心より感謝しております。